教育の常識にとらわれない学校教育を実践!
大改革をした中学校の元校長から学ぶ子育てに重要なこと!
立麹町中学校って知ってる?
すごい大改革をした学校らしいね!
宿題も定期テストも廃止。固定の担任制度も廃止
他にも今までの学校で必須の制度を変えた中学校ね
すごいよね!
変えても大丈夫なんて思えない物ばかり!
実際に変えたらどうなったか。教育に大事なものはなにか
この本には勉強になることがたくさん書かれているね
「麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること」という本は、千代田区立麹町中学校の元校長で、現在は横浜創英中学・高等学校の校長である工藤勇一さんが書いた本です。
子育ての指南書…といつもの通り書きたいところですが、まえがきで「本書は子育てのハウツー本ではない」と書かれていますので控えさせていただきます(笑)
さて、先にも書いた通り、この本は大改革を行った麹町中学校で実際に行った改革とその結果、そして子育ての考え方が書かれています。
宿題、定期テストの廃止。
クラス固定の担任のシステムも廃止。服装指導もしていません。
通常の学校学習で育った方からすると信じられないような改革ばかりで驚くでしょう。
もちろん、ただ廃止したわけではありません。
子供たちが正しく育つために廃止したかわりに、別の方向から教育を行うわけです。
その教育の要点は「子どもが生きる力をつける」ことです。
現代は変化のスピードが早く、この世界で生き抜くには右に習えの教育では駄目だと言われています。
この本のまえがきでは以下のような提示がされます。
「毎日のように大量に出される宿題。
とりあえず良い点を取るためにその場しのぎの勉強で乗り切る。定期テスト。
誰に読まれるかもわからない。読書感想文。
教室ではみんな仲良くと我慢が重んじられ忍耐が美しいとされる。
それらが必要ないということではありません。
でも果たして1番大切なことと言えるでしょうか?」
これからの世の中では、このようなことをこなす人間ではなく、自ら考え判断し、行動する子供でなければ。
そのために、親は子供に手をかけるポイントをきちんと見極めていかなければならない。
この本で書かれていることはまさにそういう観点からの話ばかりで、学校の改革もその点を中心に行われていました。
今まで読んできた本でも、今までの常識を打ち破るような教育が提示されていましたが、それでもこの本に書かれている内容は結構衝撃的です。
でも、結果が出ているということですから、良い方向性の改革だったのだと思います。
とはいえ、すんなりと行くとは思えないものばかり。かなりの試行錯誤があったのでしょう。頭が下がるばかりです。
この本で衝撃的だったお話の一つに「友達が多い必要はない」という話があります。
こう言われてびっくりする人は多いのでは?
だって学校ですもの。「友達をたくさん作る」というのが目的だと教える人は多いのでは?
でもその「友達をたくさん作る」ということに苦しめられている子どもは多いとのことです。
正直、私も苦しめられた人間の一人なのでその気持は良く分かります。
学校の先生にこういうふうに言ってもらえたら、どれだけ救われたんでしょうね。
また、発達障害のまーちゃんのお話も印象深いものでした。
その子は発達障害の子ですから、授業中に静かにしたり、ウロウロしないということはできないのです。
そのことを新任の教師はついたしなめてしまうのですが、教室の子たちは気にしません。
まーちゃんが声を出したり、ウロウロした程度で集中できなくなるような学び方をするなと教えられてきているから。
そして子供たちはまーちゃんを無視しているわけでも無く、言葉が通じなくてもコミュニケーションが取れているのも素晴らしい。
あぁ、なるほど!と思いましたし、その考え方のほうがどんな環境でも生きられる子どもが育ちます。
ルール通りにできない子を排除するのではなく、いろんな子どもが共生できる環境、教育。
これこそが柔軟な生き方ができる子どもが育つ教育だと感じました。
この本の最初に「子育てのハウツー本ではない」と書かれています。
工藤勇一さんが書かれているその理由。
これらが実践できずに自分はダメな親だと落ち込んだり蔑んだりする事は絶対にしないでいただきたい…からだそうです。
子育てで1番大事なのは親子が幸せな関係であること。立派な親でなくても良い。
あなたを誰より大事に思っているのは私だよと心の中で思えていたら、それだけで良いとすら思う。
そのため、反面教師とすら思ってくれていいとさえ言っています。
とても謙虚で優しい姿勢です。
このような人柄なので、子供のことを中心にしたこれだけの大改革ができたのですね。
常識を破るような改革や、社会のシステムを変えるのは用意ではないと思います。
でも、この姿勢を見ならって子育てをすることはとても大事。
そうやって育てられた人が増えていくことで、世の中も少しずつ変わっていくのではないかなと思います。
こんな学校もあるんだ!と衝撃を受けるでしょう。
多くの方々にぜひ一度、読んでいただきたい本です。興味が湧いた方は、ぜひご一読の程を!
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