物質的な幸福を求めず、幸せになるスキルを磨く
「幸せの4つの因子」を意識して幸せな人生を送れる子に育てましょう
子供には幸せな人生を送ってもらいたいね
もう昔の常識は通用しないから
どう生きれば幸せになれるのか難しいわねも、最近は好奇心を持たない子どもが増えているみたい
一度きりの人生だもの。子どもも親も幸せになれるようにしたいね
この本では「幸福学」をもとにして大変な子育ての中でどう幸せを感じていくか。参考になる話がたくさんあるわ
「「幸福学」が明らかにした 幸せな人生を送る子どもの育て方」は、前野隆司さん著の子育て指南書です。
「幸福学」というのは、幸福のメカニズムを科学的に研究した学問とのこと。
幸福学は、心理学、経済学、社会学、哲学などと関係した学問で
主観的な生活の評価や幸福感を測定したり、幸福に影響する要因や条件を探ったり、幸福を高めるための方法や政策を提案したりしているそうです。
前野隆司さんは東京工業大学出身の工学者。
システムデザイン、ロボティクスが主なお仕事だそうです。
そんな中「物を作ることが本当に人の幸せに繋がるのだろうか?」という疑問を持ちました。
そこから出てきたのが幸福学でした。
カネ・モノ・地位からなる「地位財」。
自由、愛情、社会への帰属意識や安全な環境などからくる「非地位財」。
この本では後者の「非地位財」に焦点を当て
「幸福学」の観点から子どもが幸せな人生を送るにはどのように接したらいいかを指南しています。
本の章立ては以下のとおりです
第1章 幸福学が明らかにした「幸せの4つの因子」
第2章 「幸せの4つの因子」を高める 4つの行動原則
第3章 悩みが消えて心がラクになる
第4章 幸せな子育て期を過ごすためのトレーニング&ワーク
この本のタイトルにもなっている4つの因子とは次のとおりです。
1 「やってみよう!」因子(自己実現と成長)
2 「ありがとう!」因子(つながりと感謝)
3 「なんとかなる!」因子(前向きと楽観)
4 「ありのままに!」因子(独立と自分らしさ)
- 「やってみよう」は、自分の可能性に挑戦し、新しい経験を積むことです。これにより、自分の能力や才能を発見したり、自己効力感や自信を高めたりできます。
- 「ありがとう」は、自分の周りにある良いことに感謝し、感謝の気持ちを表現することです。これにより、自分の幸せを実感したり、人間関係を良好に保ったりできます。
- 「なんとかなる」は、困難な状況に直面しても、前向きに対処し、解決策を探すことです。これにより、ストレスや不安を軽減したり、自分の成長につなげたりできます。
- 「ありのままに」は、自分や他人を受け入れ、認め、尊重することです。これにより、自分の価値観や感情を大切にしたり、他者との共感や協力を促進したりできます。
この「4つの因子」を高めることができれば、持続的に幸せを感じることができるとのことで
そのための考え方、子どもとの接し方、トレーニング方法が説かれています。
とはいえ、前野隆司さんも実際に子育てを経験された中でなかなかうまくは行かないことを実感されており
こうすれば絶対うまくいく!というような話はされていません。
親が頑張っていることや、事情があること。
子どもがなかなか素直に言うことを聞いてくれなかったり
すねてしまったりでうまくコミュニケーションが取れないこと。
そういう点にも寄り添いながら4つの因子を高めていく「行動原則」を説いています。
その行動原則は以下の通り。
・夫婦で共通の子育てのビジョンを持つ
・夫婦間家族間での対話を心がける
・ポジティブな受け取り方をする
・怒りの感情をうまくコントロールする
例えば「夫婦で共通の子育てのビジョンを持つ」について少し引用して説明すると。
今の時代、良い学校に入った子供が必ず良い人生を送れるかと言うとそんな事はありません。
前野隆司さんも、子供を良い幼稚園学校に入れるために壮絶な受験期を経験したことにより
親子関係や夫婦関係がもつれ家庭が崩壊してしまうと言う話をよく耳にするそう。
世間的に見れば素晴らしい経歴を持つ超エリートであっても
人格形成のメインを司る過程が不安定だったり、うまくいっていなければ意味がなく。
逆に家族同士が信頼し合い、尊敬しあえている過程で育った子供はしっかりとした自己が確立され
どんな幼稚園学校に行こうとも大丈夫。
そのような人格を育むことが子育ての役割であり、それを実践する場が家庭。
こんなビジョンを共有していれば、家庭崩壊にもなりにくいはず。
このように共通のビジョンが必要で
それを共有してみんなで目指していかなければならない。
ということです。
本当にそのとおりですね。会社でも言われますよね。こういうこと。
ただ、それをなかなか実現できないのが現実。
そのトレーニング方法についても本書で説明されていますよ。
子育てについて、ちゃんとした幸福の点から解説されているため
ただただ「褒めて育てましょう」「自尊心が大事です」という内容ではありません。
自分の子育てについて疑問を抱いてしまっている方。
なんとなく幸福感がなく、モヤモヤを抱えている方はぜひお手にとってみてはいかがでしょうか?
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