【育児本レビュー#77】「ふたりは同時に親になる」を読みました。

産後の夫婦それぞれに向けたアドバイス
男女の思考や立場を踏まえた適切なアドバイスが盛り沢山の良書です!

産後は夫婦の意識のズレが顕著になるってよく言うよね

産後クライシスなんて言葉もあるわよね
特に女性は極限状態になるから些細なずれが
どんどん深くなるんでしょうね

怖いなぁ
嫌われないようにちゃんとしないと…!!

ふふ
そう思うならちゃーんと予習はしておきましょうね
この本は出産を控えた男性だけじゃなく女性にもおすすめの1冊よ

本日レビューする育児本は「ふたりは同時に親になる」です。
本書の著者は狩野さやかさん。

狩野さんは株式会社Studio947のデザイナーとしてウェブやアプリの制作に携わる一方、2015年から「patomato~ふたりは同時に親になる」を運営し、産後の夫婦の協業をテーマとしたワークショップに取り組んでいます。

そんな狩野さんが夫婦が育児の際に感じる微妙なズレに関してまとめられているのが本書です。

目次
第1章 育児の現場、イメージと違う!
第2章 産後のママのリアル
第3章 パパのリアル、パパの事情
第4章 ふたりは同時に親になる1―育児初年度の「傾向と対策」
第5章 ふたりは同時に親になる2―自分たちのスタイル構築

育児の際の夫婦のズレはよく取り上げられるテーマです。
「産後クライシス」なんて言葉が生まれたように、産後に女性から男性への愛情が急激に低下する減少は多く見られます。

「夫を嫌いになるとは思わなかった」なんていう発言を目にしてしまうと男性は恐ろしいですよね。
産後は女性のホルモンバランスが大きく変動し、身体的にも大きなダメージが残っています。
また、精神的にも追い詰められることが多く、自分の時間さえ全くなくなるのです。
並大抵のフォローではかばいきれませんし、全てをすくい取るのはほぼ不可能かもしれません。

そんな状況ですから男性側の気持ちが生ぬるい理解では大きなズレを招いてしまうのです。

また、女性側も男性側の視点を持つとなぜそんなに鈍感な状態になってしまうのか想像でき、協力的になるように促せるかもしれません。
本書の特徴はパパ側へのアドバイスだけではなく、ママ側へのアドバイスが書かれていることです。

男性へのアドバイスは「パパに期待するのはこんなこと!」と書かれており
女性へのアドバシウは「ママができるアプローチはこれ!」と書かれています。
この書き方もそれぞれの立場が現れている感じがしますよね。

この本でいいな、と思ったアドバイスは「男性は出産後の女性を弱った同僚だと考えて」と書かれていたところです。
この考え方は仕事人間の男性ほど理解しやすい考え方なのではないかと思いました。

仕事ができる人間であれば弱った同僚のフォローもできるべき、というのは男性はすっと入ってきやすいのではないかと思います。
同僚なのですから応援などをするのではなく、リーダーシップを取って自分から率先して育児に参加しようと考えやすくなるかもしれません。
また、長期出張だと思えば育児休暇も取りやすいのではないでしょうか。

また、同僚だと思うことで仲間意識も高まります。

女性がほしいのは応援ではなく一緒に育児をしてくれる仲間。
男性は助けるという意識ではなく仕事と同様に、自分が主体になって、育児を率先して学び、想像力を働かせて自然にフォローできるぐらいになるまで頑張ってほしいものですね。

このアドバイスはあまり見たことがなかったもので、その中でも仕事を大事にしやすい男性ほど理解しやすい考え方だなと思いました。

男女、どちらの立場に対しても理解しやすく適切なアドバイスをしているのではないかな、と感じた良書です。

ぜひ出産を控えている方は一度お手にとって見てください。

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