「こども哲学」を用いた教育で考える力が育ちます!
実際に子ども哲学に触れた家庭にどんな変化があったか紹介
子ども哲学って知ってる?
哲学…?難しそうな話?
ぜんぜん!すごく簡単な話!
いろんな「なぜ」に対してみんなで会話しようっていうだけ
だけどそうすることで自分で考える力が身につくんだって
小さい頃から自分で考えさせることが大事ってこと…?
子ども哲学、ちょっと興味あるかも
「自信をもてる子が育つ こども哲学 – “考える力”を自然に引き出す – 」という本は、川辺洋平さん著の「子ども哲学」を軸にしたインタビュー本です。
この本では、親子で哲学対話をすることの意義や効果について、著者が実際に取材したエピソードを紹介しています。
例えば、わが子にすぐ手をあげてしまう、子育てよりも仕事を優先してしまう、習い事を押し付けてしまう、ひとり親家庭、特別な支援を必要としているなど、さまざまな悩みを「こども哲学」に出会うことで解消した方々のエピソードを、対話形式で紹介されているのです。
まず、「こども哲学」というのを自分は聞いたことがありませんでした。
調べてみるとテレビ番組になったり、有名小学校で導入されたり、結構注目を浴びている分野なのですね。
こども哲学は、正解のない問いについてグループで考える哲学対話のこと。
こどもたちの主体性や考える力を育むとされています。
本書著者の川辺 洋平さんは、こども哲学の専門家で、NPO法人こども哲学・おとな哲学アーダコーダの代表理事を務めています。
こども哲学ファシリテーター養成講座やビジネス哲学対話研修など、様々なワークショップやイベントを開催しているそうで、子ども哲学を広めるためにかなり活発的に活動されている方なのですね。
先にも述べた通り、この本は子ども哲学の紹介、というよりは色んなご家庭が子ども哲学に触れた結果、どんな変化があったのかをインタビュー形式で書かれている本でした。
そもそも子ども哲学自体があまり堅苦しいものではなく、実践方法についても詳しく説明するようなものではない感じなんですね。
この本の言葉を借りると、子供哲学は一緒に考えようと言う遊び。
遊びなのでいくつかのルールがあるんですが、それも大したことじゃありません。
・人が話しているときは聞く
・相手が考えている時は
・自分の思ったことを言う
・人の嫌がることをしない
・何も言わなくてもいい
こうしたルールを守ることでちゃんと聞いてもらえる。
ゆっくり考えても待ってもらえる、何を言っても怒られない。
何も言わなくても怒られないと言う安心感を得ることができ、考えることの楽しさを感じられるんですね。
個人的には最後のルールはいいですね。
このような対話の場にいると「なにか発言しなきゃ!」という気持ちになりがちです。
発言を強いないことで、自分自身、自然な状態で色々考えられるのでしょう。
この「子ども哲学」では椅子に座ることも必要ではなく、床に座ったり、寝転んだりするような形で対話するそうです。
時間内で答えが出ないことが普通で、そもそも何を話そうか?という話し合いだけで時間が終わってしまうことも。
こういう自由さ、プレッシャーのなさは、とても自由で、子どもの主体性を尊重していると思います。
この本でとても好きだったエピソードがあるのでそれを紹介しますね。
とあるご家庭の親御さんとお子さんで、習い事で揉め事が起きたそうなんです。
子どもが学童の英語教室に行きたくないと。
親は当然行かせたいわけですよね。
で、そのときに子どもが「ママちゃんと考えて」と言われてしまったのだそう。
この子は他にも習い事をしていて、空手とピアノ教室にも行っていたんですね。
そこで子どもが話したことが以下の通り。
「空手は僕は100%やりたい。
ママも100%いいって言ってくれているから、これはいいよね?
ピアノは僕的には30%から50%位やりたい気持ち。
だけど、ママは100%やらせたい。
なら僕とママで考えが一致している部分もあるからピアノもやっていいよ。
でも僕は本当はロボット教室に通いたいんだ。
ロボット教室は自分は100%やりたかったけどママは0%だったから諦めたね。
じゃあ、英語はママは100%でも僕は0%なんだから、諦めることになるんじゃないかな?」
小学校1,2年の子がこの話を親にできるって、すごくないですか?
論理的に親を説得しにいっているわけですね。
小学校1、2年の頃、自分はこんなこと言えなかったです。
結局、親はそれで納得して学童は休ませることになったそう。
これを屁理屈だ、と一蹴しないところもまた素晴らしいですね。
この説得を受け入れてもらったことで、話し合いで説得ができる、という自信を持って育っていくと思います。
こんな感じのおもしろエピソード、実体験が6章ほどに分かれて紹介されています。
「子ども哲学」を知らなかった方への紹介にも最適ですし、興味があったけど難しそうだと思っていた方にもおすすめです。
是非一度、本書を読んでみてはいかがでしょうか?
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