子どもが可愛いと思えない親のマンガ
共感の声が多いリアリティのあるストーリー
子どもって、可愛いものだけど
どんな親でもそう思えるってわけじゃないみたいだね
理想とぜんぜん違う育児を目の当たりにして
心が壊れちゃっていくこともあるみたいね
子どものほうが気を使うことはできないもんね
どんどん自分を追い詰めちゃうんだろうな
そういう状況は怖いけど「こういうこともあるんだな」って知っておくことは大事かもね
そういう経験で悩んでいる人もこういうマンガを読むと救われるかもしれないわ
本日レビューする育児本は「親になるのに向いてない」です。
本書の著者はあさのゆきこさん。
本書は自分が親に向いていないと追い詰めてしまう女性とその子ども、パートナーの男性の物語。
フィクション作品ではありますがSNS上では共感の声も多く、とてもリアリティのある作品です。
上下巻構成になっており、目次は以下のとおりです。
上巻:向いてないけど逃げられない
1.親になるのに向いてない
2.そおもそも余裕がまるでない
3.心が辛くて動けない
4.不調がばれていたたまれない
5.周りと比べて情けない
6.ここまで来たら戻れない
下巻
1.おやとするのがしのびない
2.愛の言葉がこころもとない
3.過去を思っても意味がない
4.家族の方を向いてない
5.重ねた誠意はゆるぎない
6.親になるのに向いてないけど
本書は子供のことを可愛く思えない、自分が親としてちゃんとできていないとずっと自分を追い詰めている山内みずきさんという女性が主人公のお話です。
子どものレオくんのことがどうしても可愛いと思えず、でも完璧主義の山内さんは親として人並みにできないと、とどんどん自分を追い詰めていってしまいます。
パートナーや親はとても協力的で、一般的にはとても子育てがしやすい家庭です。
ですがその環境が逆に山内さんを追い詰めていってしまいます。
こんな恵まれた環境なのだから甘えてはいけない。しっかりしないと。
そう考えるとどんどん自分のことが情けなくなっていってしまいます。
しまいにはうつ病になってしまうのですがそこからもつらい状況が続きます。
パートナーが「そのままでいいよ」「いてくれるだけでいいよ」と言ってくれるのですが、その優しさも逆効果。
完璧主義の山内さんはプライドが傷ついてしまいもっと自分を追い詰めてしまいます。
そして子どものレオくんもどんどん様子がおかしくなり…。
この本を読んでいて思ったのはどれだけ理解があり優しいパートナーがいてもやはり育児は難しいことだな、ということ。
自分もどちらかと言うと自分のことを追い詰める方なので、主人公の気持ちがよくわかります。
自分が駄目なときほど周囲の環境を確認して「こんなに恵まれているのだからしっかりしなければ」と思うとこなんてとても共感できますね。
また、パートナーから言われた「いるだけでいい」という言葉が救いにならないのもよくわかります。
正直、完璧主義だったり怠けるタイプではない人間にこのタイプの言葉がどれくらい聞いているのか疑問です。
自分も同じ状況でこの言葉を言われてもなかなか救われている気分になるかというとそうでもないです。
人間関係のトラブルというのは本当に正解もないし、正しく生きようと努力している人でもうまくいかないものだなと感じました。
読んでいるとどんどんつらくなっていきますが、それでも引き込まれていき、読む手が止まりませんでした。
でも読んで良かったな、と思えるマンガです。
自分やパートナーが同じ状況になったらどうするだろう、と考えながら読んでいました。
また、同じような経験をしたことがある人なら共感しながら読めることでしょう。
色んな人に是非一度読んでみていただきたい内容でした。
ちょっと勇気がいるとはいるとは思いますが、気になった方はぜひ一度お手にとって見てくださいね。
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